今年の夏至は、6月21日(日)。一年でもっとも、太陽が出ている時間が長くなる日です。いわば、昼の長さが極まる、その頂点の日。

夏至を過ぎると、だんだんと日が短くなり、降りそそぐ太陽の光の量も減っていきます。

陽が極まって、陰に転じる。

体感と時間は、いつも一足ずれている

私たちの体感では、夏至を過ぎてからが夏本番。これからますますエネルギッシュな気持ちになっていきます。けれど、太陽の光は、夏至を境に、静かに減りはじめているのです。

私たちの体感と時間は、いつも一足ずれているようです。

今が盛りと思っていたものが、実はだいぶピークを過ぎている。

それを教えてくれるのが、太陽の光であり、暦(こよみ)です。

意外と地味で、半年の折り返しを告げる日

二十四節気の中でも、春分・夏至・秋分・冬至は、重要な節目とされています。

春分や秋分には牡丹餅(春)やおはぎ(秋)をいただき、冬至には柚子湯に入ったり、かぼちゃを食べたりする風習があります。けれど夏至は、いちばん陽が極まる時であるにもかかわらず、これといった行事が特にありません。

海外では、フィンランドやスウェーデンで夏至祭を執り行うところもあるようですが、日本では、伊勢神宮近くの夫婦岩で夏至の禊が行われることが知られているくらいです。

意外と地味なのが、夏至なのです。

春分や秋分のように祝日でもないため、「気がついたら夏至が過ぎていた」という人も多いと思います。

そして、この夏至は、今年の折り返し地点でもあります。「ああ、今年も半分が過ぎてしまった」と、時の流れの速さを実感したりします。

この調子では、冬至を迎えて「今年もあっという間に終わってしまった……」となりかねません。

夏至は、その半年前に、時間があっという間に過ぎ去ってしまうことを自覚させてくれる、途中のアラームなのです。

「やれなかった」半年に、めまいがする

今年も、ちょうど半分くらいの位置になりました。

前半を振り返って、やろうと思っていたのにやれていないこと、手をつけたけれど中途半端に終わっていること——いろいろな思いを巡らせているのではないでしょうか。

私自身も、まったく計画通りに行っておらず、圧倒的に、やっていないことのほうが多いです。

そのことを考えると、めまいがするほどの罪悪感に襲われます。

幸せに生きるために思い描いたことなのに、そのタスクをこなすことができなかった。だから、今の停滞は、これまでの半年間の行動量の結果なのだと……。自分自身に、申し訳ない感じです。

そこで登場するのが、夏至。

こうした暦の区切りが、自分自身を振り返るポイントを与えてくれます。

夏至は、去年の冬至から始まった陽の気の増加が、極に達したところ。徐々にエネルギーを蓄えていったはずの時期です。

しかし、夏至を過ぎると、太陽のエネルギーは少しずつ低下し、陰の気を強めていきます。今まで蓄えてきたエネルギーを徐々に放出して、熱を冷まさない工夫が必要です。

「蓄えていくのを忘れた!」という場合は、どうしたらよいのでしょうか。

コツコツ蓄えたものを、今度は徐々に使っていく。でも、蓄えてきた自覚がない。もしかしたら、何も準備していないまま、折り返し地点を迎えてしまった——。

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昨年の夏至は、よく晴れた夏日で、気温は28度。風速4m/sほどの南西の風が吹いていました。東京湾付近の風です。

まだ梅雨は明けていなかったので、その合間の晴天でした。

エネルギーを増した太陽光線、力強い南寄りの風、そして、青みを帯び始めた空。梅雨は明けていなくても、「本格的な夏が来た」と感じさせる風でした。

夏至を過ぎたら、太陽のエネルギー量は減っていきます。それでも、風は「これからが本番!」と言わんばかりに力強いものです。

夏風は、夏至を過ぎてから力強さを増していきます。それは、ピークを過ぎたエネルギーの余韻が、思いのほか強力だったことを表しています。

夏至は過ぎてしまった。でも、まだその余韻は強力で、エネルギーを蓄積していく余地は、まだまだ残っている。短期間で急速充電できる時間は、まだあるのです。

だから、ピークを過ぎた時期でも、まだまだインプットを続けていい。

……それでは、その余韻すら逃してしまった場合には?

冬至から夏至までのあいだ、結局、自分の意思に反して、のほほんと過ごしてしまった場合には、どうすれば??

「一睡もできなかった」夜の、ほんとうのところ

心配事や不安で、眠れない時。

ベッドに入っても、なかなか寝付けない。明日も早く起きなければならないので、早く眠りにつきたい。でも、眠れない。

こういう時は、眠れないまま朝を迎えてしまうことがあります。そして、「私は一睡もできなかった……」と思ってしまうことでしょう。

でも、睡眠アプリなどを使ってみると、自分では「ずっと眠れなかった」と感じていたのに、途中で何度もいびきをかいたり、寝息を立てたりしていることがわかります。眠れなかったという意識はあっても、実際には睡眠をとれている。エネルギーを充電できていることがわかるのです。

もちろん、熟睡感はないので、寝不足ですし、「本当に眠れなかった」という認識はあると思います。でも、実際には、眠れている。

今年の前半。

「何もやれなかった」
「計画だけで終わってしまった」
「モチベーションが続かなかった」
「やろうと思っていたのに、結局できなかった」

そんなふうに感じていても、実際には、蓄積はあるのです。もちろん、自分が満足できるような蓄積では、ないかもしれない。

でも、少量の蓄積であっても、夏至を過ぎてからは、エネルギーの放出も行なっていかないと、気持ちの体温を維持できません。

少ない蓄えを、どう活かすか

少ない蓄えを、どう活かすか。

ここで、テコの原理を使います。少ないなりに、工夫していくわけです。

例えば、生成AI。

私自身は、文章を書くこと自体には、ほとんど使っていません。けれど、その前段階——「どんなネタや切り口があるのか」については、AIにヒントを求めることがあります。

世の中のテクノロジーは、どんどん進化していきます。だから、自分の在り方と照らし合わせた時に、それを補強・補完するものであれば、積極的に活用したほうがよいと考えています。

自分軸を渡さない限り、自分自身がAIに代替されることはないはずです。逆に、強力なパートナーになってくれることでしょう。

次の目印は、秋分

そして、暦のパワーを活用する。

夏至が過ぎると、次の大きなポイントは秋分です。秋分を境に、いよいよ昼と夜の時間が逆転していきます。さらに、陰の気が強くなっていくわけです。

だから、この秋分の時期を目標に——昼の時間が長く、まだ太陽のエネルギーが強い期間に、やろうとしていたこと、中途半端にしていることに必要なものを、蓄え直すのです。

こうして、自然のリズムを刻んでいる暦を使って、自分のリズムも整えていく。

だから、夏至が過ぎて、今年が半分終わってしまったと思っても、まだまだ挽回する余地は、大いにあります。それに気づかせてくれるのも、また、自然の暦なのです。

今年の夏至には、どんな風が吹くだろう

去年の夏至の風は、力強いものでした。

今年の夏至には、どんな風が吹くのでしょうか。

力強い風ならば、その風に乗って、高く舞い上がる。思いのほか穏やかな風ならば、静かに、エネルギーを蓄え直す。

2026年6月21日。今年も、夏至がやってきます。

陽の気が、もっとも高まったその時。あなたの頬には、どんな風が吹いているでしょうか。