忘れた頃に吹く風で、風がかくれんぼしているよう
静かな夜だった。しばらく待っていても、風は来ない。あきらめかけた頃に、ふっと、北東から微かな風が届いた。0.7メートル。気づかなければ、見逃していた。
忘れな風(わすれなかぜ)。忘れた頃に、そっと来る風。存在を主張しない。強く吹いて「わたしが風です」と名乗らない。ただ、気づいた人だけに触れていく、静かな風だ。
忘れな草という花がある。小さな青い花で、「私を忘れないで」という花言葉を持つ。その花の名を借りたわけではないが、音が似ている。気づかれないまま去っていく風に、忘れな風という名をつけることで、その存在を記録に留めたかった。
秋の深夜の微風は、こういう性質を持つことが多い。気温は二十一度と穏やか。晴れた夜には星が澄んでいる。風が止んでいる間は、虫の声だけが聞こえる。
かくれんぼをしている風を、そっと探す時間。見つけた瞬間の、静かな喜び。風を待つことが、気づかないうちに習慣になっていた。
今日の風に合うもの
- 静かな夜に灯すキャンドル
- 見過ごしそうな小さな秋を探す散歩
- 虫の声に耳を傾ける夜の時間
今日の風の豆知識
忘れな草(Forget-me-not)の花言葉は「私を忘れないで」。小さく控えめな青い花が、気づかれないまま咲いていることからの名前です。
風のデータ
- 年月日:2024年10月14日
- 天気:晴れ
- 風速:0〜0.7m/s
- 気温:21.5℃
- 方角:北東
