風向きを表す風

ほとんど風の吹かない一日だったが、夜になってから、北西から1.0から2.0メートルの穏やかな風が届いた。

戌亥(いぬい)という言葉を思い出した。北西から吹く風のことを指す古い呼び名だ。十二支で子(ね)を北に定めると、時計回りに方角が割り振られる。北から東へ、東から南、南から西、西から北へと巡る中で、戌(いぬ)と亥(い)の間に当たる方角が北西になる。そこから吹いてくる風を、干支の名で「いぬい」と呼ぶ。

日本の風の呼び名には、こういう古い方角の知識が込められているものが多い。干支で方角を表すというのは、羅針盤のなかった時代に、空と風を読むための知恵だったのだろう。

秋の風というわけではない。季節に関係なく、北西から来れば戌亥だ。しかし十月の夜の北西風は、やはり秋の要素を帯びている。冷気と乾燥が少し混じっている。曇りの夜に、干支の名を持つ風が吹いた。古い言葉の中に、何百年もの人々の観察が宿っている。

今日の風に合うもの

  • 古い地図や方位磁石で方角を確かめる遊び
  • 北西に向かって開けた窓での時間
  • 干支にちなんだ秋の夜の静読

今日の風の豆知識

十二支で子(ね)を北に置くと、戌(いぬ)と亥(い)の間が北西になります。干支で方角を表す文化は、羅針盤のなかった時代に空と風を読むための知恵でした。日本の風の名前には、こうした古い方位学の知識が溶け込んでいます。

風のデータ

  • 年月日:2024年10月16日
  • 天気:曇り
  • 風速:1.0〜2.0m/s
  • 気温:25.8℃
  • 方角:北西