まだ夏が頑張っている

南西からの風が、やや強く吹きつけてきた。風速計は2メートルから4.9メートルの間を動き、顔に当たる風圧が、はっきりと感じられる。湿度は65パーセント。空気はずっしりと重く、熱と水分をたっぷりと含んでいる。

南西の風を「おきばえ」という。漢字では「沖南風」と書く。沖から渡ってくる南の風という意味だ。漁師の世界では、この風が吹くと不漁になると言い伝えられているらしい。なぜ不漁になるのか、詳しいことはわからないが、風と魚の動きが結びついているというのは、海と生きてきた人々の長い観察の積み重ねなのだろう。

海の湿り気をまとった空気が、川面をなぞるように流れてくる。今日の沖南風は、その海の記憶を色濃く持っていた。触れるたびに、どこか生ぐさいような、潮の名残を感じさせる。

残暑とは、よく言ったものだ。暑さが「残っている」という表現の中に、夏が終わりに近づいているという事実が、はっきりと宿っている。でも、今日のこの風は、まだその「残」という言葉すら早いような気がする。夏は、まだ満々と力を蓄えている。川面に揺れる光も、蒸すような空気も、みな夏の主張だ。

夏が頑張っている、と感じた。その健気さが、少しだけいとおしかった。

今日の風に合うもの

  • 冷やしたスポーツドリンク
  • 薄手のリネンシャツ
  • 塩飴

今日の風の豆知識

「ばえ」は沖縄・九州の漁師言葉で南風を意味します。沖南風(おきばえ)は沖から渡る南西の風。漁師の間では不漁をもたらすと伝えられ、風向きと魚の動きを結びつけた長年の観察が語源に宿っています。

風のデータ

  • 年月日:2024年9月6日
  • 天気:晴れ
  • 風速:2.0〜4.9m/s
  • 気温:30.8℃
  • 方角:南西