上弦の月+夜+南風
窓の外、夜の空に弓のような月が浮かんでいた。上弦の月だ。弓を張ったような半円が、静かに夜を照らしている。中秋の名月は、もうすぐそこにある。
風速は0から0.5メートル。南から、ほとんど感じないほどの微風がやってくる。肌に触れると、まだ夏の温さが残っている。爽やかさとはほど遠い。でも、強引に押し付けてくるような感じはなく、ただひっそりと、夜の中を流れていく。
この風に名前をつけるとしたら——。弓張(ゆみはり)とは、弓を張ったような形をした月、つまり半月のことを指す古い言葉だ。今夜はちょうどその弓張の夜。そして、小夜(さよ)は夜を意味する雅な表現。南から来る風だから「ばえ」をつけて——弓張小夜南風(ゆみはりさよばえ)。
少し長い名前になってしまったが、この風の繊細さと、今夜の月の美しさを、どちらも手放したくなかった。長い名前の中に、両方を入れてみた。
中秋の名月まであと少し。今夜の微風は、その日への静かな助走のようだった。弓張の月の下、夏の名残を纏った風が、音もなく流れていった。
今日の風に合うもの
- 月見をしながら飲む白湯
- 薄い夏掛け
- 静かな音楽
今日の風の豆知識
弓張月(ゆみはりつき)は半月のこと。弓を張ったような形から名付けられた古い言葉です。小夜(さよ)は「夜」の雅語。月の名と夜の名と風の方向が重なった、この夜だけの風の名前です。
風のデータ
- 年月日:2024年9月11日
- 天気:晴れ
- 風速:0〜0.5m/s
- 気温:29.4℃
- 方角:南
