待宵月の夜
今夜は、風がほとんど来なかった。風速計の針はほぼ静止したままで、0.5メートルを超えることがなかった。ときどき、南から微かな風が届くだけだ。
でも、その微かな風の感触が、昨日までとは違っていた。南からの風なのに、ほんのりと涼しい。これまでの南風は、どれも夏の熱を運んでくるような重さを持っていた。しかし今夜の微風には、暑さの代わりに、静けさのようなものが混じっている。
初秋風(はつあきかぜ)という言葉がある。初めて秋を感じさせる風のことだ。今夜のこの微風が、それに当たるかどうかは、わからない。明日からまた暑くなるというから、この涼しさも一瞬のことなのかもしれない。
今夜は待宵月(まつよいづき)の夜だ。明日の十五夜を待つ、十四夜の月。少し欠けた月が、曇り空の向こうにぼんやりと滲んでいる。
名月を待つように、秋を待つ。ほとんど動かない風速計を眺めながら、夜の静けさの中に、季節の移り変わりの気配を探した。明日は満月。そして、風は少し変わったかもしれない。
今日の風に合うもの
- 月見団子
- 縁側やベランダで過ごす夕涼み
- 静かに待つ時間
今日の風の豆知識
待宵月(まつよいづき)は十五夜の前夜、十四夜の月のこと。「明日の名月を待つ宵」という意味で、満月への期待が込められた美しい言葉です。中秋の名月は、旧暦八月十五日に当たります。
風のデータ
- 年月日:2024年9月16日
- 天気:曇り
- 風速:0〜0.5m/s
- 気温:26.6℃
- 方角:南
