秋の雨というのは、なんとも静か
小雨が降り続いている夜だった。風速計はほぼ静止したまま、ときおり北東から微かな気流が届く程度だ。数字で言えば限りなくゼロに近い。それでも、空気がまったく動いていないわけではない。肌を澄ませると、雨の中を流れてくる何かが感じ取れる。
夏の雨と、秋の雨は違う。夏の雨の水分は重く、べっとりと肌に纏わりつく。まるで水中に沈んでいるような不快な湿気だ。しかし今夜の雨は違う。湿度67%と、高いはずなのに、空気が澄んでいる。水の粒の密度が、均一に整っているような感触がある。
秋霖(しゅうりん)という言葉がある。初秋の頃に降る長雨のことだ。梅雨に似ているが、梅雨よりも静かで、どこか物思いに誘うような雨だという。今夜の雨はまさにそれだと思った。
その秋霖の中を流れてくる微風だから、秋霖微風(しゅうりんびふう)。
風速がゼロでも、空気は動いている。雨粒とともに、北東から届く小さな気流が、夜の静けさの中をゆっくりと流れていく。秋の雨の夜は、風を聞くのではなく、風を待つ夜だ。
今日の風に合うもの
- 雨音を聞きながら飲む温かいお茶
- 柔らかい照明の室内読書
- 雨に濡れた葉の観察
今日の風の豆知識
秋霖(しゅうりん)は初秋に降る長雨のこと。秋雨前線が日本列島に停滞するとき、この静かな長雨が続きます。
風のデータ
- 年月日:2024年9月25日
- 天気:小雨
- 風速:0(北東の微風多め)m/s
- 気温:21.5℃
- 方角:北東
