夏を懐かしく感じるのは思い出がたくさんできるから
十月になったというのに、南から3.1から5.1メートルの強い風が吹きつけた。気温は二十九度に迫っている。蒸し暑い。この体感は、夏だ。夏が戻ってきた。
夏返風(なつかえりかぜ)。去ったはずの夏が、引き返してきたような風。こういうことが、最近の秋にはよく起きる。秋雨が来て、ようやく季節が変わったかと思えば、また夏が顔を出す。そのたびに気持ちが揺さぶられる。
けれど、この夏返風にも、去年の夏の風とは違う何かがある。強くて温かいが、あの夏の風が持っていた圧倒的な勢いとは少し違う。どこか懐かしさのようなものが混じっている。再訪した客人のような風だ。
夏は、自分の最後の時間を確認しに戻ってきたのかもしれない。押し付けるように強く吹いた後、風は少しずつ落ち着いた。秋が、また静かに席を取り戻していくだろう。夏と秋のせめぎ合いは、もうしばらく続く。それでも、最後には秋が勝つことを、わたしは知っている。
今日の風に合うもの
- 突然の夏返りに備えた薄手の羽織もの
- 冷たい飲み物を再び用意する準備
- 夏の終わったことを懐かしむ気持ちで過ごす一日
今日の風の豆知識
「返り咲き」「返り花」など、本来の季節を過ぎて再び現れる現象を「返り○○」と表現するのは日本語の豊かな慣習。夏返風はその気候版。近年の温暖化で秋の気温の揺り戻しは以前より強くなっていると思います。
風のデータ
- 年月日:2024年10月4日
- 天気:晴れ
- 風速:3.1〜5.1m/s
- 気温:29.3℃
- 方角:南
