秋の空気が20%に
瞬間風速は8.5メートルに達した。白露を過ぎた9月の午後に、これほどの南風が吹くとは思わなかった。風速計を支えた手が揺れ、川面は白波を立てて荒れている。
それでも。この強い南風の中に、昨日よりも、一昨日よりも、少し明確な秋の要素が含まれていると感じた。二割ほど、夏ではない何かが混ざっている。
そこで思い浮かんだのが、蕎麦の話だ。二八蕎麦というのは、蕎麦粉八割、小麦粉二割で打った蕎麦のことを指す。その比率が、今日の風の構成に似ていると思った。南風(夏)が八割、秋の風が二割。だから、二八南風(にはちはえ)。
少々強引な命名かもしれないが、このあたりの感覚は、どんな辞典にも載っていない。自分の皮膚が感じた比率を、そのまま名前にした。
各所で猛暑日が記録されたという。気温の数字は夏を語り続けているが、風の中にはもう秋が入り始めている。数字では掴めない季節の移行を、皮膚は先に感知する。荒南風が吹く9月の午後。でも、その中に二割の秋が混じっている。蕎麦の香りを思いながら、強い風の中に立っていた。
今日の風に合うもの
- 二八蕎麦
- 風の強い日の熱いそば湯
- 窓の外を眺めながらの一服
今日の風の豆知識
二八蕎麦はそば粉八割・小麦粉二割の配合。風の中の「秋の割合」を蕎麦の比率に見立てた名付けです。このように割合で季節の混在を表す感覚は、風を定性的でなく定量的に観察してみた結果です。
風のデータ
- 年月日:2024年9月14日
- 天気:晴れ
- 風速:3.1〜8.5m/s
- 気温:29.7℃
- 方角:南
